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仏教マニュアル

浄 土 真 宗

 親鸞(11731262)は、比叡山で学んだ後、法然の弟子となる。そして法然の説く浄土門の念仏の教えこそ真実の教え(浄土真宗)とし、信心に徹し、信が定まったとき必ず正定聚ジョウジョウジュ(仏となる仲間)に入り、往生以前にこの世で救いが成就するとの立場をとる。そして、信心も念仏も如来より施与(セヨ)されたもんとする絶対他力の教学を完成。親鸞自身も妻帯し、出家教団とは異なる非僧非俗の教団を形成しましたが、これが現世の浄土真宗系の基となる。

「一向宗」とは浄土真宗に対し他集宗がつけた俗称。15世紀に代8代本願寺蓮如(14151499)が現れ、布教を展開、本願寺を大教団とする基礎を築くとともに多くの御文(手紙)を残す。その後、元来の本願寺系統が現在の浄土真宗本願寺派(西本願寺)となり、徳川家康に保護されて代12代教如(光寿)が復職し建てたのが真宗大谷派(東本願寺)となる。
 真宗十派といわれ、ほかに真宗高田派(三重)、真宗興正派、真宗仏光寺派(京都)などがある。

 浄土真宗の葬儀

 葬儀では、日常勤行がほとんどそのまま移行する形で葬儀式が形成されていく。したがって各派の違いは、そのまま各派の日常勤行の違いとなる。 本願寺派では葬儀式の骨子が浄土三部経、正信渇、念仏、和讃であり、大谷派の骨子は正信渇、念仏、和讃となる。
 また、荘厳(ショウゴンお飾り)の燭台では、本願寺派は菊型、 大谷派は鶴亀をあしらったもの。しかし葬儀を行う意味では各派ともそれほど違うことはない。
 浄土真宗の葬儀式で他の宗派と大きく異なる点は、他の宗派が中心においてある授戒と引導がないことだ。在家仏教だから戒がなく、「絶対他力」のため「信心を抱いていない人が亡くなっても、その人を往生・成仏させる力は僧を含めた私たち梵夫には出来ない。阿弥陀如来の一人働きのみ」という考えから、また、「平生業成(ヘイゼイゴウジョウ)」と言い、「普段に信心を抱いていれば、浄土往生と成仏は平生に約束されているから、死者の為に祈ることはない」という考えから引導もない。

 また「回向」は、通常は「私たちの功徳を死者にめぐらし差し向ける」ことであるのに対し、浄土真宗では「仏から頂く功徳を仏の本願によって人々におよぼして頂けることを喜ぶ」というもので、死者に対し回向することなく、人間には他に分かち合うだけの功徳が備わっていないと考える。

 したがって浄土真宗では葬儀式を、死者は死という事実を、身をもって示し、私たちに死を迎える用意ができているかを無言のうちに教えてくれるのであるから、これを機縁とし、本尊阿弥陀如来に対して報恩感謝し、仏の教えを学ぶ「聞法(モンポウ)」の場であると位置づける。したがって、あくまでも本尊を中心に営まれ、中陰その他の法事も、慣習を機縁として営まれる「聞法」の場である。
 ほかに他宗派の違いにおいては

  • 亡くなった人は即浄土に往生したのであり、「霊」は認めていない。死者の旅路である死装束も不要

  • だから香典の上書きは「御霊前」とは用いず「御仏前」

  • ケガレやタタリも排除し、「穢れをきよめる」という考えはないため、浄めの塩も不要

  • 遺体は仏壇の近くに安置し、遺体の上に置く「守り刀」は俗信として用いず

  • 死者を礼拝の対象にしない考え。供え物(枕団子・枕飯)は遺体に供えるものではないと不要

  • 葬儀終了後に設ける宴席を「精進落とし」とは言わない

  • 施餓鬼会はおこなわない、など

 浄土真宗の焼香の回数

 焼香は自らの身心を清めるために行うものと理解し、額に戴くことなしない。本願寺派(西)は1回、 大谷派(東)は2 とされていて、線香を用いる場合、本数を気にせず、立てないで横にする。

 浄土真宗の戒名のつけ方

 浄土真宗は在家道で教義にも戒律授戒はなく、聞法者という意味をこめて戒名を「法名」という。高田派を除く浄土真宗では、明治時代以降、寺門護持・念仏相続に尽力した人への賞典として広く院号が贈られる。また、道号・位号はなく、法名の前に男性は「釈(釋)」、女性には「釈尼」とつける。「釈」と釈尊の弟子であることを表す(○○院釈△△△)。近年では女性に尼の字をつけるのは差別だとして男性と同じくする風潮もでてきている。

 他宗派では戒名の下に置字として「霊位」「位」と書くことがあるが、浄土宗・浄土真宗では用いない

 浄土真宗の仏壇の祀り方

 仏壇は塗仏壇、俗に金仏壇と呼ばれ、杉、松、欅、檜、などの木に漆塗り箔押し仕上げをし、飾り金具、蒔絵を施したもの。
 本尊は阿弥陀如来(絵像・木像・六字名号「南無阿弥陀仏」)。
 脇掛けは右に十字名号「帰命尽十方無碍光妙来(キミョウジンジッポウムゲコウニョライ)」または「親鸞聖人」の絵像、左に九字名号「南無不可思議光如来」または「蓮如上人」絵像を飾る。但し、真宗仏光寺派は右に九字名号、左に十字名号と逆になる。
 本願寺派(西)の仏壇は、宮殿の屋根は八宗と同じく千鳥・唐破風だが、柱は金箔。
 真宗大谷派(東)の仏壇は、宮殿は東本願寺阿弥陀堂を模し、屋根が二重唐破風で、柱は黒塗り、燭台は鶴亀をあしらう。
 位牌は原則用いず、掛け軸形式の「法名軸」して仏壇の側面にかけるか、または「過去帳」にして仏壇の中央か下段の横に置く。
 また、仏前の前卓を飾る錦や金襴の敷物は一般には長方形だが、浄土真宗では三角形となり、仏壇に供える霊供膳(小型の本膳)は利用しない。

 
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